そもそも唐草模様って何だ
風呂敷の伝統的な柄である唐草模様は泥棒が身にまとうイメージが
ある一方で、モダンなデザインとしても好まれています。
しかし贈り物や人前で用いられる風呂敷としては、植物の茎や
蔓を表すこの模様は実にめでたいです。
唐草は正しくは蔓草と言い、中国から渡来してきた模様とされています。
そこには長寿や子孫繁栄といった縁起が込められており、
その縁起の良さもあって江戸時代の庶民のほとんどが
風呂敷を持っていました。
同時に盗みを働く者たちも当然手にしており、そのためいつの間
にかめでたい模様と泥棒は切っても切れない関係になったわけです。
一説によれば、盗みをした際に風呂敷に包んでいれば怪しまれ
なかったので多用されたとも言われています。
そんな唐草模様は制作の依頼を請け負う専門店であれば特別な
費用を出さなくても用意されており、七宝小紋や青海波千鳥、
さらには菱など代表的な模様とともに一例に持ち出すほどです。
伝統的な紋様と言えばこれもある
菊一文字や鮫小紋のような伝統的な模様のほかに風呂敷に
欠かせないデザインと言えば、家紋が挙げられます。
家紋が施された品は結婚式など格式高い場所で多用されて
いるものの、そうした事情や自身の家とは関係なく好きな
家紋を選んで注文する人が多いです。
子孫繁栄を象徴するため、出産祝いや結婚祝いに重宝されて
いる五瓜に轡や長寿と繁栄のシンボルであるため、敬老の日
の贈り物に選ばれる下り藤紋及び丸に上り藤など実に
多種多様な家紋が用意されています。
そのため目出度い意味合いが込められている唐草とともに
選べば縁起の良い贈り物に丁度良いですが、実は家紋は
2種類にも分かれられており、それぞれ女紋と男紋と
呼ばれて気になる人は気になるポイントです。
前者は輪がついていないもので、後者は輪がついているもの
とされており、それぞれ父親の家の紋所を引き継ぐ父系伝承、
そして母親の紋所を引き継ぐ母系伝承という継承方法で
輪の有無を決めています。